健康志向な人が辿り着く食材の一つにサバ缶というものがあります。
手軽にたんぱく質を摂取できてDHAとEPAも豊富、値上がりが激しいもののコスト的にも悪くなくボリュームもたっぷりです。
かく言う私も珍しく食べられないこともない魚ということもあり、一時期はサラダチキンとローテーションで食べていました。
さて、食べ物というのは人間にとって有害な成分を含んでいることが意外と多いです。
特に魚介類は海水や食物連鎖の影響でいろいろな成分が蓄積されやすく、今回はそのなかでも注意したいメチル水銀についてお話していきたいと思います。
メチル水銀について
水銀が体によくないことは詳しく説明するまでもないでしょう。
微生物により変換されることでメチル水銀というものになるのですが、神経毒性があるため多く摂取するのは危険です。
メチル水銀はプランクトンから始まる食物連鎖によって濃縮されていくため大型の魚ほど多く蓄積されています。
厚生労働省によると、胎児に影響が出る可能性がある妊婦を除き、平均的な食生活であれば水銀による健康被害はないとのこと。[1]
しかし、これはあくまでも「平均的な食生活」の場合で、たんぱく質のために毎日サバ缶を食べるとか平均から外れた食生活をするのであれば話は別です。
サバ缶に含まれるメチル水銀の量
では具体的にサバ缶にはどれくらいのメチル水銀が含まれているのでしょうか。
北海道立衛生研究所が2009~2011年に市販されている水産加工食品に含まれる総水銀・メチル水銀量を調査したところ、サバの水煮で0.06〜0.15μg/g、サバの味噌煮が0.02μg/gとなっています。[2]
水揚げ地域や加工方法によって数値にばらつきがあるようですが、サバは比較的メチル水銀の含有量が多い魚なようです。
ちなみに、イワシの水煮は0.01μg/g、油漬けで0.02μg/gなのでサバより少なめなようですね。
メチル水銀の耐用量について
摂取し続けても健康に影響がない1週間あたりの摂取量のことを「耐容一週間摂取量(PTWI:provisional tolerable weekly intake)」をいいます。
農林水産省の資料によると、体重1kgあたり総水銀は4μg、その内メチル水銀は1.6μgまでとしています。[3]
上記のデータから固形量140gのサバ缶に含まれるメチル水銀が0.1μg/gと仮定した場合、14μgのメチル水銀を摂取することになります。
もし毎日サバ缶を食べるなら98μgですね。
体重を50kgとした場合、耐用量は80μgなので過剰摂取してしまうことが分かります。
98μgという数値に耐えられる体重は61.25kg以上なので、一般的な体型の女性は毎日サバ缶を食べたらアウトということですね。
男性でも小柄だったり痩せている人は厳しいかと思われます。
さいごに
ということで美容や健康にと毎日サバ缶を食べるのはなかなか厳しいということが分かりましたね。
そもそも水銀の摂取源はサバ缶だけではないので、単純計算で耐用量をオーバーしていないからOKという判断は危険かもしれません。
それに水銀の摂取量は少ないに越したことはないので、1日置きとか2日置きのように間隔を空けてほどほどにしましょうねということでしょう。
DHAやEPAの摂取を目的とするなら、水銀などの有害物質を除去しているサプリメントを利用するほうが手っ取り早いと思います。
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