長命草と言われている植物があります。
私も最近存在を知ったんですが、正式にはボタンボウフウというセリ科の植物で、沖縄の方に自生しているらしいです。
そんな長命草ですが、なんと「毛穴縮小作用」があるとする特許があります。
2010年に出願されているこの特許、なんと取得しているのはあの資生堂。
資生堂といえば化粧品のイメージですが、この特許もあってか長命草を使った健康食品を販売しています。
とはいえ誰もが知ってる大企業が言ってるなら…と鵜呑みにするわけにはいきません。
企業発表の研究データはバイアスがあったり都合よく誤魔化していることがよくあるそうなので。
ということで、特許公報を元に長命草に毛穴縮小作用があるのか検証していきたいと思います。
超豊富な栄養
なんだかゲームのアイテムっぽい名称な長命草ですが、栄養をかなり多く含んでいるのでいわゆるスーパーフードだったりします。
自生地域によって若干異なるようですが、ビタミンAやCなどのビタミン類、マグネシウム・カルシウムなどのミネラル類が他の食品と比較して数倍多く含まれているようです。[1]
さらに、クロロゲン酸やルチンといったポリフェノール、抗肥満作用があるプテリキシン[2]や血管拡張作用があるイソサミジン[3]なんかも含まれています。
これだけでもかなり優秀な植物だといえますね。
試験内容を確認する
特許公報によると、
試験は、健常人男性パネル17名を対象に、試験用ドリンクを1日1本、連日服用し、服用前と服用後4週間および8週間での頬下部(直径約3cm)から毛穴のレプリカ(レプリカ剤:即乾性シリコンゴム(SILFLO、Flexico Developments イギリス)を採取した。
とのこと。
人数が17人と少なく前後比較研究?なのでエビデンスレベルは低いですが、男性を対象にしているのは良いですね。
美容・健康系の試験は女性を対象に行われることが多いので、割と参考にしにくかったりします。
試験用ドリンクは長命草の生葉に換算して約16g分となっているので結構多めに摂取している印象です。
採取した毛穴のレプリカを特殊な解析システムにかけ、毛穴総面積、毛穴総体積、平均深さ、個数を比較しています。
試験結果を確認する
結果をまとめると、
といった感じ。
詳細なデータは掲載されていないのが残念ですが、長命草に毛穴縮小作用がある可能性は高そうです。
注目したいのは平均深さのp値が0.05より小さいのと、毛穴個数のp値が0.01より小さいということで、この2項目についてはなかなか良いんじゃないでしょうか。
毛穴個数はグラフを見ると3~4個くらい減っているようですが、8週間かかっていることを考えるとそれなりにターンオーバーを繰り返す必要があるのかもしれませんね。
8週間以上継続して長命草を摂取した場合にどうなるのかが気になります。
この試験の問題点
この試験データを見ると「長命草を摂取すれば毛穴が小さくなるんだ!」と思えますが、無視できない重大な問題点があります。
それは、長命草に含まれている成分のどれが作用して毛穴が縮小しているのかが分からないということです。
ビタミンやミネラルで毛穴の問題が解決したら苦労はしないのでひとまず除外するとして、残るはクロロゲン酸・ルチン・プテリキシン・イソサミジンです。
しかし、私が軽く調べてみた感じではこれらの成分に毛穴に何かしらの作用があるとするデータはありませんでした。
ここからは私の妄想ですが、可能性があるとするならばクロロゲン酸とプテリキシンによる抗肥満作用でしょうか。
この2つが中性脂肪の合成を抑制することで皮脂量に影響し、結果毛穴開きの原因である不飽和脂肪酸が減ることで炎症が治まり毛穴が縮小しているのではないでしょうか?
ぜひ有効成分についてしっかりと研究してほしいところですね。
さいごに
とりあえず試しに長命草を摂取していくことにしました。
資生堂から販売されているものは結構良い値段するので、さすがに別の企業から出ている安いものを選んでます。
長命草自体の味は意外と悪くないので飲みやすくて助かりますね。
まぁあんまり期待せず気長にいきましょう。
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